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カンバン方式のタスク管理のやり方。列の切り方とWIPの決め方

| タスクマン編集部

チームでタスク管理を始めるとき、まず作られるのがカンバンボードです。付箋を貼るように、カードを左から右へ動かしていく、あの形です。ところが「ToDo・進行中・完了」の3列で走り出したあと、進行中の列にカードが20枚たまったまま動かなくなる、ということが起こります。

カンバン方式は、カードを動かす道具ではなく、仕事の流れを見えるようにして、詰まっている場所を見つけるための進め方です。この記事では、列の切り方と、同時に進める数(WIP)の決め方、そして運用で見る4つの数字を、順番に説明します。

カンバン方式のタスク管理とは

カンバン方式は、仕事の流れ(フロー)を最適化するための進め方です。国際的なガイドである The Kanban Guide では、カンバンは「プロセスを通じた価値の流れを最適化するための戦略」と定義され、次の3つの実践から成り立つとされています。

  1. ワークフローを定義し、見えるようにする
  2. ワークフローの中の作業を能動的に管理する
  3. ワークフローを改善する

ここで言うワークフローとは、仕事が始まってから終わるまでにたどる工程のことです。ボードの列は、この工程をそのまま並べたものになります。つまり列を決める作業は、見た目を整えることではなく、自分たちの仕事がどんな順番で進んでいるかを言語化する作業です。

なお、ガントチャートとの使い分けについては、カンバンとガントチャートの使い分けで扱っています。期日から逆算する計画にはガント、日々の流れの管理にはカンバンが向きます。

列は「担当者」ではなく「工程の引き渡し」で切る

列の切り方でよくあるのが、担当者ごとに列を作るパターンです。「田中さん」「佐藤さん」と並べると、誰が何を持っているかは分かります。ただ、この切り方では仕事がどこで止まっているかが分かりません。人が忙しいのか、レビュー待ちなのか、依頼元の返信待ちなのかが、同じ列に混ざるからです。

列は、仕事が次の人の手に渡るタイミングで切ります。たとえば制作チームなら、次のような並びになります。

  • 依頼受付 → 制作中 → 社内レビュー → 修正 → 先方確認 → 完了

この形にすると、カードが止まっている列を見るだけで、どの引き渡しで詰まっているかが分かります。「社内レビュー」に5枚たまっていれば、作る速度ではなく見る速度が足りていない、という判断ができます。

最初から細かく分ける必要はありません。3列(ToDo・進行中・完了)から始めて、同じ場所で何度も止まったときにだけ、その場所を1列に切り出すやり方が現実的です。列を増やすと1枚あたりの移動回数が増えるので、増やすなら理由をセットにします。

待ちの列と、作業の列を分ける

もう一つ、運用が軽くなる切り方があります。それは「誰かが手を動かしている列」と「順番を待っているだけの列」を分けることです。

たとえば「社内レビュー」を、「レビュー待ち」と「レビュー中」に分けます。手間は増えますが、待ち時間そのものが見えるようになります。1枚のカードがレビューを何日待っていたのかは、「社内レビュー」を1列にまとめている限り分かりません。分けて初めて、直す場所が見つかります。

分けたあとは、待ちの列だけを見て「今週はレビュー待ちが平均3日ある」といった話ができるようになります。

WIP(同時に進めている数)を、列ごとに決める

WIPは Work In Progress の略で、着手したがまだ終わっていない作業の数を指します。The Kanban Guide では、カンバンを使うメンバーは、始めてから終わるまでの作業の数を明示的にコントロールしなければならない、と書かれています。

数を絞ると、手が空いたときに新しい仕事を取りに行く形(プル型)に近づきます。ガイドでも、WIPを制御した効果としてプル型のしくみが生まれるとされ、余力があると分かったときだけ次の作業を取る、という形が示されています。逆に上限がないと、一人が同時にいくつも抱えたまま、どれも終わらない状態になりがちです。

決め方は、最初は思い切って小さくします。

  • 1人が同時に持つ作業は2件まで、のように人単位で決める
  • または「制作中は最大4枚」のように列単位で決める
  • 上限に達したら、新しい仕事を始める前に、詰まっている列を手伝う

上限を超えそうになったときに何をするかまで決めておくと、ルールが機能します。決めていないと、上限は「守れなかった目標」になって形骸化します。

まず見るべき数字は、この4つ

カンバンの運用で使う指標は、The Kanban Guide にまとめられています。ガイドは次の4つを、カンバンを運用するうえで最低限必要な指標としています。チームの事情に合わせた指標を足してよい、とも書かれています。

指標 意味
WIP 着手したがまだ終わっていない作業の数
スループット 単位時間あたりに終わった作業の数
作業の経過時間(Work Item Age) 着手してから現在までの経過時間
サイクルタイム 着手してから完了までの経過時間

WIPは「いま抱えすぎていないか」の確認に、サイクルタイムは「1枚が終わるまでにだいたい何日かかるチームなのか」を知るために、ふりかえりで見ます。毎日のミーティングで見るのは作業の経過時間です。スループットは週に1回、終わった数を数えます。

作業の経過時間は、まだ終わっていないカードが着手から何日たっているかを見る数字です。ほかのカードより明らかに長く止まっているものがあれば、そこに何か起きています。終わったものの平均だけを見ていると、いま困っている仕事に気づけません。

スループットは、週に何件終わったかを数えるだけです。カードの大きさをそろえておくと、この数字が計画の材料になります。1週間に平均6件終わるチームなら、まだ着手していない仕事(バックログ)が24件あるとして、およそ4週間ぶんという見当がつきます。週ごとのばらつきがあるので、幅を持たせて見るのが前提です。

Taskmanでカンバンボードを作る

Taskmanでは、プロジェクトを作ると「ステータス(TODO / DOING / DONE)」と「優先度(高 / 中 / 低)」のカスタムフィールドが自動で作られます。カンバンボードは、このステータスなどのフィールドでカラムを分けて表示する形です。カードをドラッグすると、そのままステータスが変わります。

工程を増やしたいときは、ステータスの選択肢を編集します。カスタムフィールドの選択肢には色を設定できるので、待ちの列と作業の列を色で分けておくと、ボードを開いた瞬間に滞留が見えます。

WIPを数えるときは、着手して終わっていない列(制作中、レビュー待ち、レビュー中など)に並んだカードの枚数がそのままWIPです。待ちの列も、着手ずみなので数に入れます。ToDoと完了の列は数えません。担当者やカスタムフィールドの値でフィルタできるので、「自分が持っている進行中のカード」だけを表示して確認できます。同じプロジェクトを、リスト・カレンダー・ガントの各ビューに切り替えて見ることもできます。

止まっているカードを探すときは、未完了だけに絞ったうえで、リスト表示を作成日の古い順に並べ替えます。古いのに完了していないカードが上に来るので、時間がたっているものから確認できます。開始日を入れておけば、カレンダーやガントで期間としても確認できます。

まとめ

  • カンバンの列は、担当者ではなく工程の引き渡しで切ると、詰まっている場所が見えます
  • 3列から始めて、何度も止まる場所だけを切り出します。待ちの列と作業の列を分けると、待ち時間が見えます
  • WIP(同時に進めている数)に上限を決め、超えそうなときの行動もセットで決めます
  • 日々見る数字は、まずまだ終わっていないカードの経過時間です

カンバンは、道具を入れた日に完成するものではありません。1週間動かして、いちばん詰まった列を1つだけ直す。この繰り返しが、そのままチームの改善になります。

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