進捗管理表のテンプレートを探す前に。決めておく5つの項目
進捗管理表をゼロから作ろうとして、テンプレートを検索したものの、どれを選べばいいのか決まらない。よくあるのは、項目(列)が多すぎるテンプレートを開いて、埋められそうにないと感じて閉じてしまうパターンです。
進捗管理表は、テンプレートの見た目よりもどの項目を置くかで使い勝手が決まります。項目が決まっていれば、エクセルでもツールでも同じ表が作れますし、逆にここが曖昧なままテンプレートを使うと、数週間で更新が止まりがちです。
この記事では、最初に置く5つの項目と、入れると更新が止まりやすい項目、そして項目とセットで決めておく運用ルールを順に説明します。
進捗管理表の項目は「誰が見て、何を決めるか」から決まる
進捗管理表は、眺めて安心するための表ではなく、次に何をするかを決めるための表です。週に1回のミーティングで「遅れているものはどれか」を見つけたいのか、メンバーが自分の持ち分を確認するために開くのかで、必要な項目は変わります。
たとえば、遅れを見つけたいのであれば、期限とステータスが並んでいれば足ります。一方、担当の偏りを見たいなら、担当者で並べ替えられる形が要ります。「とりあえず全部入れておく」と、どの目的にも中途半端な表になり、更新の手間だけが増えます。
まずは、その表で答えたい問いをひとつ決めます。項目はそこから逆に決まります。
最初に置く5つの項目
問いが何であれ、土台になる項目はだいたい同じです。まずは次の5つで作り、決めた問いに応じて足していきます。遅れを見つけたい表なら期限まわりを厚く、担当の偏りを見たい表なら担当者で並べ替えられる形に、というようにです。
| タスク名 | 担当者 | 期限 | ステータス | 状況メモ |
|---|---|---|---|---|
| トップページの原稿を書く | 佐藤 | 9/5 | 進行中 | 先方の返信待ち |
| 問い合わせフォームを設置する | 田中 | 9/12 | 未着手 |
この5列をコピーすれば、その日から動きます。以下は、それぞれをどう決めるかです。
1. タスク名
「終わった」と言い切れる単位で書くのがコツです。「サイト改修」では、どこまでやれば終わりなのかが人によって変わり、進捗を聞くたびに解釈がずれます。「トップページの原稿を書く」「問い合わせフォームを設置する」のように、完了の判定が1回でつく大きさまで分けます。
目安として、1つのタスクが1週間を超えるようなら、もう少し分けたほうが表が動きます。長いタスクは、途中の状態が「やっている」のまま何週間も変わらず、表を見ても何も分からなくなるためです。
2. 担当者
1タスクにつき1人にします。「営業チーム」「AさんとBさん」と書くと、締切の前日に誰も手をつけていない、という事態が起きます。複数人で進める作業は、タスクのほうを分けて、それぞれに担当者を割り当てます。
3. 期限
いつまでに終わらせるかの日付です。期限だけの表は、締切当日になって初めて遅れに気づく形になりがちです。もう1列足す余裕があれば、開始日を持っておくと「まだ着手されていない」ことが期限より前に見えます。まずは期限だけで始めて、遅れの発見が遅いと感じてから足しても間に合います。
4. ステータス
未着手・進行中・完了のように、選択肢から選ぶ形にします。ここは自由入力にせず、決まった選択肢に絞るのが重要です。自由入力にすると「対応中」「着手済」「進行中」が混ざり、あとから絞り込みも集計もできなくなります。
選択肢は3つから始めて足りなければ増やす、くらいで十分です。最初から「レビュー待ち」「保留」「差し戻し」まで用意すると、どれに当てはまるかを考える手間が更新のたびに発生します。
5. 状況メモ
遅れている理由や、次のアクションを1行で書く欄です。予定どおりに進んでいないタスクで、先に見られるのがこの欄になります。「先方の返信待ち」の一言があるだけで、ミーティングでその場で聞き直す必要がなくなります。
逆に言うと、この欄が空のまま遅れているタスクは、誰も状況を把握していないタスクです。埋まっているかどうかが、そのまま管理のバロメーターになります。
「進捗率(%)」を入れると、表の更新が止まりやすい
テンプレートによく付いている項目に、進捗率(達成率)があります。便利そうに見えますが、更新が止まる原因になりやすい項目でもあります。
理由は2つあります。ひとつは、その数字を誰も検算できないこと。60%と書いてあっても、それが正しいかを確かめる方法がなく、担当者の感覚しだいで変わります。もうひとつは、更新のたびに考える必要があることです。ステータスを「進行中」に変えるのは選ぶだけで済みますが、「いま何パーセントか」は毎回その場で見積もる作業になります。この小さな手間が、更新をあと回しにさせます。
プロジェクト全体の進み具合を数字で見たいのであれば、完了したタスクの数 ÷ 全タスクの数で出すほうが確実です。誰が計算しても同じ数字になり、タスクのステータスを変えるだけで自動的に更新されます。細かくタスクを分けてあれば、この方法でも十分な粒度になります。
進捗率をどうしても残すなら、個々のタスクではなく、プロジェクト全体やフェーズ単位に1つだけ置く形をおすすめします。
項目と一緒に、更新のルールを決める
進捗管理表が形だけになる原因のほとんどは、項目の設計ではなく更新されないことです。表を作ったその日に、次の3つも決めておきます。
- 誰が更新するか: 管理者がまとめて更新する形にすると、その人が忙しい週に表が止まります。担当者が自分の行を更新する形にしておくと、1人あたりの手間が小さくなります。
- いつ更新するか: 「気づいたときに」は、実質的に更新されません。朝の10分、週の終わり、定例の直前など、既にある習慣にくっつけると続きます。
- 更新しなかったらどうなるか: 未更新の行は、ミーティングでそのまま読み上げます。それだけで足ります。責める必要はなく、更新されていない状態が見えれば行動は変わります。
更新頻度は、プロジェクトの動く速さに合わせます。数か月単位で進む案件を毎日更新しても変化が出ませんし、1日で状況が変わる案件を週1回の更新にすると、表を見た時点で情報が古くなっています。
この3つをチームで決めるのが難しければ、最初から全員に配らなくてもかまいません。自分の担当ぶんで1週間動かして、形が固まってから共有すると、説明が短くて済みます。
まずはエクセルで作ってみる
5つの項目だけなら、エクセルやスプレッドシートで十分に作れます。すでに使っているツールで始められ、メンバーが操作を覚え直さずに済むのが強みです。
ただ、メンバーが増えたり、同時に複数人が編集したりするようになると、上書き保存の競合やファイルの版の乱立が起きます。この境目の見きわめについては、エクセルのタスク管理の限界。移行を決める3つの基準で詳しく書いています。
タスクマンで進捗管理表を作る場合
タスクマンでは、プロジェクトを作った時点でステータス(TODO / DOING / DONE)と優先度(高 / 中 / 低)のフィールドが自動で用意されます。この記事で挙げた5項目のうち、タスク名・担当者・期限・ステータスは標準の機能で揃います。期限の章で触れた開始日も標準で持てるので、追加で作るのは状況メモの欄くらいです。
状況メモのような独自の項目は、カスタムフィールドとして追加できます。テキスト・数値・日付・真偽値(はい/いいえ)・単一選択・複数選択の6つの型があり、選択肢には色を付けられます。追加したフィールドの値でフィルタリングや並べ替えができるので、「先方待ちのタスクだけを表示する」といった使い方もできます。
進み具合を数字で見たい場合は、ゴール管理の機能が使えます。プロジェクトにKGI(重要目標)を1つ置き、その下にKPI(主要業績指標)を紐付けると、KPIに結びつけたタスクの完了数と総数から進捗が自動で計算されます。KPIごとにウェイトを設定すれば、加重平均での進捗も出せます。前の章で触れた「完了タスク数 ÷ 全タスク数」を、手で計算せずに済む形です。
最初に決めた「この表で答えたい問い」が複数ある場合は、表示を切り替える手もあります。リスト・カンバンボード・カレンダー・ガントチャートの4つがあり、同じデータのまま、週次の確認はリストで、担当の偏りを見たいときはカンバンで開けます。
まとめ
進捗管理表は、テンプレートの完成度よりも、項目と更新ルールで決まります。
- 表で答えたい問いを1つ決めてから、項目を選ぶ
- タスク名・担当者・期限・ステータス・状況メモの5つから始める
- タスク名は「終わった」と言い切れる単位、担当者は1人、ステータスは選択肢から選ぶ形にする
- 進捗率(%)は更新が止まりやすい。全体の進み具合は完了タスク数から出す
- 誰が・いつ更新するかを、表を作った日に決めておく
まずは5列の表を作って、1週間動かしてみてください。足りない項目は、運用してみると具体的に分かります。最初から完璧なテンプレートを探すより、そのほうが早く自分のチームに合った表になります。